東京女子流 / CONCERT*02『Christmas Live 2011』

いやーとにかく良かった、良かったよ。断言してもいいけどクリスマス・イブの中野サンプラザは最高にハッピーで情熱に満ちた現場であり、素晴らしい音楽に耳を傾け、身体を揺らしながらかわいい女子を愛でたいと思う健全な思考と嗜好を持つ人にとっては日本で一番面白く幸福な場所だった。そもそも彼女と2人でゆっくりとプライベートな時間を過ごすならクリスマスでなくてもいいじゃないか、いつだって出来ることだ。クリスマス・イブという特別感を味わいたいなら、サンタの衣装を着た東京女子流の5人と踊ることが一番だ。そこは彼女との大切な時間を犠牲にしてでも十分に価値のある場所だった。言うまでもないが僕には彼女がいない。
毎回東京女子流のライブに行くとシュッとした若者から年季の入ったおじさんまで多様な客層で驚かされる。それにしてもクリスマス・イブの中野サンプラザにはこのジャンルに珍しいほど女性が多かった…。東京女子流はその地盤を着々と固めているのだなという印象。この人気というものは彼女らのアイドル的魅力に起因するのも大きいと思うのだけれど、それ以上に東京女子流というグループには特筆すべき点があって、端的に言えば音楽性の高さ(何度も言うけど、何度でも言いたいことだ)だと考える。ファンクや、フュージョン、あるいはJ-POPをごった煮にして再びJ-POPのフィールドへ奇形化させて提供したかの如き異形の、しかし幸福と情熱に満ちたアイドルポップスは最近では更にその強度をグッと強めた感がありまあとにかく素晴らしい…。

今回のライブはそうした音楽性における強みを更に増強するかの如く生バンドを従え、嫌味の無い好感の持てるハーモニーが縦横無尽に鳴り響く中5人が踊りまくるという、まったく満足のいくレベルのハイクオリティなものだった。無論これはまだ到達点というわけではないと思う。中野サンプラザという2000人規模のホールコンサートにしては若干演出が弱く、ライブハウスで行われているのとほとんど変わらなかった。(今回ならでは!といった演出は階段を使った演出が少しあったのと、Attack Hyper Beat Popで紙テープが出てきたことくらいかな)これは何も飛び道具を使えというわけではないのだけれど、まあサウンドとダンスに焦点を充てて見て欲しいと言われれば黙るしかないし、シンプルなダンスだから飾り立てるのは難しいのかな。
実力者による生バンド演奏はアレンジなどはほとんどない非常に堅実で破綻のない、少し意地悪な言い方をすれば上手いながら教科書通りのものだったけれど、音源を垂れ流しにするだけでなく生バンドでやる意味をしっかりと感じられるものであり音源では感じられない艷やズレ、麗しさに満ちた肉質的とも言えるほど強靭な音が5人のダンスを更に盛りたてていた。途中で引っ込んで音源を流していた時に明らかにパワーダウンが感じられるほどだったし、次回のホールコンサートではぜひ頭から尻まで通しでやってほしい。更に欲を言えばライブツアーなどでも是非生バンドはやるべきだ。まったく違うから。
それと言及しないわけにいかないのがメンバーの歌とダンス。本当にこの日の為に練習してきたんだな…という感慨を吹っ飛ばすほどパワフルなものだった。彼女らはよくライブをやっているわけだけれどその百戦錬磨、現場で鍛えられてきた実戦的な強みに支えられた完成度の高いパフォーマンス。5人の最後のMCでの「やりきった」顔がとても印象的だった。

今回のコンサートは2時間30分にも渡る長丁場だったが全くそれを感じさせないもので、クリスマス・イブの中野サンプラザにはまったく別の時間軸が流れていたと思う。予定ではやる予定の無かったというアンコール後のキラリ☆アコースティックver.が終わった後、いつも女子流を見たあとに得られる多幸感、これから本当に楽しみだという期待感に加えて今回は「大きな規模で行われる、節目となるコンサート」特有のちょっと感動的な気分に浸ることが出来た。そう、僕たちには東京女子流がいる。もう何も恐くない…。



セットリスト

  1. 孤独の果て〜月が泣いている〜
  2. きっと忘れない、、、
  3. 頑張っていつだって信じてる
  4. ヒマワリと星屑
  5. ゆうやけハナビ
  6. サヨナラ、ありがとう。
  7. White Love (Cover)
  8. クリスマス・イブ (Cover)
  9. キラリ☆
  10. TGS16 (新曲)
  11. TGS18 (新曲)
  12. Don't Be Cruel
  13. W.M.A.D.
  14. We Will Win!-ココロのバトンでポ・ポンのポ〜ン☆-
  15. Love like candy floss
  16. 鼓動の秘密
  17. Limited addiction
  18. Liar
  19. Attack Hyper Beat POP
  20. おんなじキモチ

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  1. キラリ☆(アコースティックバージョン)