ATP -I'll Be Your Mirror-

世界的に有名なATPフェスティバルついに日本上陸。ATPがキッズから特別視されている理由といえば、ツボを突いたキュレートも然ることながら「ATPは非常にフリーな雰囲気で、国内で行われているフェスとは一味違う」といった言説に由る所が大きいわけで、僕なんかはどちらかというとそこを楽しみにしてました。結論から言うとその期待していた様な緩さはあまり感じられなかったのですが・・・。あと開演時間を1時間ほど間違えて家で「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の12話TRUE ENDを見ていた為、初っ端のBoredomsに乗り遅れるという失態をかましました。これもなにも桐乃のせいです。

さてそのBoredomsは去年の6月に見た編成と違い、円状に並べられたドラムの中央に素手でシャーマンの様な格好のEYEが位置するという構図で音の方も更にドラム偏重、リズムが強調されていました。一人一人の叩く8ビートなど既存のリズムはバラバラに解体されて、もはやポリリズムとも言えない単なる音の塊に。そのゴリゴリした響きと音処理を軸に60分持たすほど展開も多用で、変わり続けるBoredomsサウンドが今後はどうなっていくのか楽しみです。O-Eastでは踊り狂っていたのですが、今回は正直ビートが解体されすぎていてどうノレばいいのかがわからずにただただ聞き入ってしまいました。

Boredomsが終わった辺りでおともだち各位とも合流させていただいてダラダラ過ごしていたのですが、次アクトBorisがなかなか始まらない。予定ではBorisが終わったあとに灰野敬二を観に行くつもりだったのですが、ガリガリと時間は減っていくわいつの間にかStage2の灰野敬二に入場規制はかかるわ結局灰野敬二は見れず終い、正直結構萎えました。時間押しは仕方ないとしてもセットチェンジ20分は少なすぎる気がするし、これ以降もずっと入場規制がかかってたStage2に関してももう少しなんとかならなかったのでしょうか。

結局40分ほど遅れてようやくBoris。一曲目、スモークを焚きまくっての幻想的なFarewellは雰囲気抜群でした。そしてダラダラ延々と聞いていたくなる曲からのヘヴィなストーナーサウンドが小気味いい。ただ、期待していた耳をつんざく様な轟音はRainbowでのギターソロくらいでした。他の曲も十分ヘヴィだったけど耳栓が欲しくなるのはこれくらい。あと新曲がとても面白かったのでやるかなーと期待していたのですが案の定全くやりませんでした、残念。

ダラダラしつつ次に見たのはStage2のMelt-Banana。キッズ狂騒全員死亡!といった感じのノイジーなギターとポップなメロディ、それと無節操なドラムスのおかげでただでさえ狭っ苦しいStage2がモッシュの嵐になってました。このフェスで一番人を殴れたのは間違いなくここです。

ラストは再結成を果たしたGodspeed You! Black Emperor、1曲20分位の長丁場を静はタイトな展開、動はこれでもかの轟音で魅せるこれぞポストロック!といった音像。バリバリしたギターとハードなドラムが特に印象的でしたがとにかくパート毎の出す音が良く、音源の何倍もかっこよかったです。Mogwaiもでしたけどポストロックバンドは生で見ないとその真価はわからないものなんでしょうか。体力が限界だったのでダラダラ見てましたが客観的に見たら今回のベストアクトでした。

そんなこんなで不満は多々あれど、これからも頑張ってくださいと言いたくなるフェスでした。僕らもマナー鍛えていって第二回、三回と続けていきましょう。ATPガンバレ